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2024/05/04(Sat) 22:43:14
世の中には実態の知られていない職業というのはたくさんあるというお話。




数週間前まで、とあるアルバイトをしていました。チキンキャッチャーというやつです。


カナダでは知ってる人は知ってる、という感じの仕事で、新聞の求人欄にもよく見かけます。ですが日本人でこの仕事をしたことがある人はいないのか、日本語ではこの仕事について言及されている記事がオンラインには見当たらないので、ここは私がどういうものかタイプしちゃるか、という気分に至った次第であります。




分からない方々の為に少々説明させて頂くと、チキンハンティング(正式にはchicken cathing)の仕事とは、毎夜6時頃から朝方の8時くらいまで永延と野放しにされている何千羽というチキン共を捕まえてはカゴの中にぶち込みまくるという一見しなくても分かるただの単純労働作業なのですが、これがもう、鬼。


生きている鶏は捕まえる毎に抵抗し、羽をばたつかせ、私の腕をつつき、糞尿をぶっかけてくる上にけたたましく叫びまくるわけです。


1羽あたり5パウンド強(lbs)、キロに直すと約3kgくらいか、のクソチキン共を片手に5羽づつ、両手に10羽も鷲掴み、それを同僚達と流れ作業よろしくホイホイ投げ込んでいくのですが、1夜あたりだいたい7〜10台分のトラックを鶏で埋めてしまうのです。おおよそトラック1台あたり24ライン(カゴ)、1ラインあたり5箱のボックスがついており、その1箱あたりに20〜30羽のチキンを投げ込まなきゃならんわけです。


ざっと計算すると最低でもトラック一台で2000から3000羽ものの鶏を捕まえることになりますから、1夜でアバウトに2万羽。それを同僚と手分けしてやるといっても結局一人頭1000~1500羽は捕まえているわけです。




ジャスト・ワン・ナイトで、ですよ?






もうほんとに鬼。朝、家に無事生還を果たした時は全身糞尿&血まみれの上に体中からこの世のものとは思えない臭気を発しているのは想像に難くないと思います。もちろん、全身筋肉痛は当たり前で肩や腰あたりの筋は1、2本ぷっつりイっちゃってます。帰って来る度に戦場から帰還した戦士よろしく命の有り難さをしみじみと思い知るのです。


その分時給はカナダのアルバイト事情を考えればそれなりに高時給であるし、鶏小屋があまりにも臭いのでガスマスクも支給してもらえてるんですが、それを考えても酷、酷すぎる。



同僚達を見ても、どう考えても脳まで筋肉で詰まってるとしか思えないような巨漢か、おめー今まで何人殺した?って感じの強面で全身タトゥーなじいさんとか、ハードドラッグで歯がほとんど抜け落ちてしまってるあんちゃん、普段はヤンキーしてますって感じの小僧など、お世辞にも世間一般から見て良いとは言えないような”はぐれ”な人種ばかりだったりするのです。


ファームからファームへの移動中は葉っぱ天国で(こうでもしないとやっていけないのは理解できる)、見た事もない巨大サイズのジョイントを回し吸い。弁解でもないですが私は吸ってません、私が吸ったら効きすぎて仕事できなくなりますから。



鶏の話に戻りますと、最初の方は暴れて抵抗してきても生き物に対する憐れみのようなものを感じ、なかなかすんなり捕まえられなかったりするのですが、数時間も経ち、手や腕が傷だらけの糞まみれにさせられれば、そんな哀れみよりもこの忌々しいクソ共に対して怒りの感情しか沸き上がらなくなり、平気で翼の一本や二本を折るようになるし、うるさければ地面に頭から叩き付けて脳震盪を起こさせ気絶させることも厭わなくなる。一度カゴに入れたのに脱走する無駄に元気な鶏がいれば首の骨を折って殺してしまえば動かなくなります。カゴを閉める時に首が挟まってしまうチキンもいますが、一度開けて再度押し込んで閉めるような手間はかけず、そのまま首をちょん切って閉めてしまいます。意外かどうかは分かりませんが鶏というのはなかなか生命力の強い生き物で、首が無くなってもそのまま3〜5分くらいは立ったまま平気で走り回りやがります。




そこに憐憫の感情は一切見られない。あるのは仕事として、食用の鶏をいかに手間をかけずにカゴに入れるかという債務感のみ。




地獄絵図。 この表現がぴったりかもしれない、鶏から見れば。



実質的にユダヤ人虐殺のホロコーストを着実に実行したナチの作戦司令官であった親衛隊中佐のアドルフ・アイヒマンのように、「ただ仕事だから」という理由のみで、いかに簡単に、いかに負担をかけずに仕事をこなすか、ということしか考えられなくなる。このチキンハンティングの仕事とは、そういうものであるわけなのです。



またアドルフ・アイヒマンは自分の死刑の時に、「一人の死は悲劇だが、数百人の死は統計でしかない。」という言葉を遺しているけれど、この”人”の部分を鶏に変えれば、まったく同じ考えにしか至れなかった自分に鳥肌が立ったものだと付け加えておく。チキンなだけに。


どこが狂っているのか、とも考えるがどこも狂ってないとしかいいようがない。


でも、この私達が捕まえ、トラックに乗ったチキン共はこのままどこかに運ばれ、首をもがれ、羽をむしられ、全身の皮を剥かれパッキングされ、その後またトラックに乗せられ全国の小売り販売店のスーパーで3$や4$の値札をつけられ、人々に高いだの安いだの言いながら手提げの小さなカゴに野菜や乳製品とともに投げ込まれ、肉として調理され晩餐のおかずになるわけです。



ただ単に世の経済循環の一端を担っているだけ、それがこの仕事。



ま、要はどうでもいいけど恐ろしい仕事だということですよ。もう絶対したくねー
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2007/07/31(Tue) 18:01:33
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check in chicken
こんな凄惨なjobがこの世にあったとは…
逃げ惑う鶏。迫り来る豪腕。響き渡る断末魔。

ちなみに一昨日は美味しい焼き鳥を頂いてきました。
りー URL 2007/07/31(Tue)18:36:28 編集
無題
うおうコメントもらっちょること忘れちょった。

ほんと、その内笑えてくるからね、チキンと戯れすぎてると。

今のバイト先では毎日50羽以上のチキンを焼いてます。チキンなんてちょー食べ放題!
akira 2007/08/07(Tue)17:39:00 編集
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